最近、Ed Sheeranを聴き始めました。
Ed Sheeran歴2ヶ月くらいです。(ど素人です。)
ウォーキング中にアルバムはほぼ全部聴きました。
ウォーキング中は、原稿が間に合っていない講座など、仕事のの内容や、練習中の曲などの気になる箇所が頭の中でぼんやりとループして、時にウォーキングに対するモチベーションが下がってしまうこともあります。
そういうときでも不思議とEd Sheeranはモチベーションを上げてくれるのです。
そこで、「Ed Sheeranを聴くとなんでモチベーションが上がるのか?」と考えてみました。
ただ考えても面白くないので、分野が違いますが「ピアノを弾く」仕事の視点から、Ed Sheeranを聴いて感じることを挙げてみます。
・全体的に飛び抜けすぎるものがなく、バランス良くまとまっている。
・ボーカル、ピアノなど、曲によるが表で主張するものは多すぎず、少なすぎず、ちょうどよい。
・人間が美しく聴き取れる全体の響きが、心地よく感じるキャパシティ内に収まっている。
・ボーカルが過剰に表に出過ぎていない。
・背後で、聴けばわかるくらいの音量で、ハーモニーが音楽を常に前に進め、聴く人を誘導している。
・そこから感じるのは希望、慰め、癒し。
・ホロビッツのような癒し。(彼は良い意味でのミニマリスト。それとは違うが。)
私の美しいと感じる演奏、好きな演奏となんとまあ要素がことごとく似ているではありませんか。
スタインウェイのピアノの音が醸し出す、ハーモニーとメロディのバランス感、響きが飽和した時にも必要なものだけが美しく自然に聞こえてくる悦楽にとても似ているのです。
ベーゼンにもバランス感は違えど音1つ1つの豊かさ、そしてハーモニーが常にもっと暖かく前に出てきてくれる感じ、これにも良い意味での飽和感があり、共通点を感じます。
悦楽感、バランス感は人それぞれ、曲それぞれ、作曲家それぞれです。
バランスの問題であり、好みの問題です。
ただし、大勢の人が共通して感じる感動もまたあります。
ピアノの演奏が美しく響くには1音1音をイメージ通りに鳴らす必要があります。
そして、たくさんの音が連続して重なった結果、美しい演奏、心震わす演奏になるのです。
美しい演奏には構成要素があります。
その要素を細分化していくと、コントロールできないのではないか?と思う反面、コントロールできることも見えてきます。
しかし、細分化された全てを、同時にコントロール(意識)できないという悩みが無くなることはないのです。
それが演奏というものなのです。
まるでその悩みがないかのように、今できていることに視点を向けて、美しさを味わい続け、豊かな気持ちでいつづけること。
コントロールできることを意識し続けていれば、1つ1つの要素が自動化(詳しくは、番号付きのコラムを読んでください)されていきます。
自動化が進めば、今まで意識していたことは無意識下に移動し(習慣化)、より上機嫌で演奏ができるようになります。
文頭に戻ります。
Ed Sheeranの録音は、どのスピーカーやヘッドホンで聴いても、ある一定のバランスを保てるようコントロールされているのです。録音技師から見れば当たり前のことですが、このバランス、技術が実に絶妙なのです。
ピアニストも、ピアノを選ばず、美しく演奏できるのが1番です。
(ピアノを持ち運べる人には当てはまりません、笑)
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