「うまく演奏できる」という言葉の意味ですが、弾く人、聞く人によって立場が変われば、いろんな捉え方ができると思いますが、ここでは、人からの評価ではなく、自分がこうしたいと思う演奏をリラックスして楽しくできている、という視点で私の経験をもとにみていきます。  

コンサートやコンクールの課題曲説明会などの本番中に、「今日はうまくいっているなぁ」と感じることは実はありません。

うまくいったかな?と思う時はだいたい全ての演奏が終わった時です。

演奏中は演奏のことだけ考えて、その瞬間、のやるべきことが頭の中で次から次にわきおこって、それを確認しながら音を聴いて弾き続けます。

ときには、気分がさらに良くなっていつも以上に歌いたくなることもあります。

私は若いころからのくせで、歌うことに没頭しすぎると、その瞬間にやりたいこと、やるべきことがおろそかになる傾向があるので、歌うことに没頭しすぎないよう気持ちを少しセーブします。

また、「弾く」「聴く」という作業に集中します。演奏にかける集中力を10とすると、これまでにたくさん弾きこんできた曲の場合、「弾く」という作業はより少なくなり、「聴く」割合がほぼ9割以上になります。

逆に、曲を仕上げるまでの時間がタイトな時などは「弾く」という作業にある程度(ときには3~4割ほど)集中力を割くこともあります。

その割合は毎回ちがいますが、集中力を割く割合はだいたい決まっていて、そのときに応じて塩梅を変化させていきます。  

私の場合、曲を弾き終わって、次の曲を弾き始めるまでの間に集中力が切れることが多いのですが、友人に聞くと、友人から見てうまく演奏できているなぁと思うときは、お辞儀をするとき、微笑みが足りないそうです。

もっとにこやかに、といつも自分にいい聞かせているのですが・・。

しかし、集中力が高まっている時、私は次の曲が早く始まって欲しいと思っているのです。

そして、演奏の合間に、手を休めている時、早く弾きたくて、ほんのすこしの「いらだち」を感じることもあります。

誤解のないように言いますが、自分の音楽をもっともっと聴いてほしい、というナルシスティックな気持ちではなく、早く今日もコンサートが無事に終わって欲しい、とたまに思ってしまうのです。

こう思ってしまうとき、私自身「職業音楽家としてまだまだだなぁ」と感じてしまいます。  

こういう「うまく演奏できている」状態の時、体は非常にリラックスしています。体がリラックスできているときには、呼吸がとても楽なのです。

ただ呼吸をしているだけなのに、息を吐くときには体が軽くなるほどの浮遊感(体が宙に浮く感じ)じ、息を吸う時は体のすみずみまで新しい空気が行き渡っていることを感じます。

他の人と違うかもしれませんが、私の場合は呼吸の「吸う」「はく」ともに力の抜けた浮遊感を感じています。

そして、浮遊感を感じているとき、無意識に、体の筋肉に力が入っている部分を探して、その部分の力をすぅーっと抜いているようです。

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