(ミクロの世界やものの見方の角度)

物の見方「視点」は、感情を密接な関係を持っています。

感情は、自分の考えが正しいか?、自分の行動が正しいか?、考えや行動が、自分の意に沿っているのかを、常に教えてくれる信号の役割を持っているということについて、みなさんといっしょに考えてきました。

感情は、青信号のときに最高の状態で前に進むことができました。そして、「視点」を工夫することで、感情を自然なかたちで青信号に導くことについてもまた考えてきました。

 そして、「視点」により導かれた「感情」ががっちりとタッグを組んだとき、自然に集中力が上がっていきます。

私たちが集中力を保って演奏をするとき、その瞬間瞬間に行っていくことは、集中ですね。結果として、リラックスした状態で演奏を続けることができます。

リラックスできているときの感情の状態は「関心」「予測」「安らぎ」「容認」「信頼」「喜び」でした。

それでは、これら6つの感情の状態いるとき、具体的にどういう視点を持っているのか?実際に見てみましょう。

各番号は、それぞれ同じ事柄についてシミュレーションしてありますので、ぜひ比較して見てください。

そして、ご自分で演奏するときにも取り入れてみましょう。

「関心」

 1. 楽譜の内容理解について自分が今までやってきたことを思い出す。

 2. 椅子の座り心地はどうか?

 3. ピアノのタッチ、弾き心地、響きの質は自分の好みか?

 4. 気温・湿度を自分や楽器が心地よく感じているか?

 5. 体のコンディションはどうか?(調子が良いか?)

 6. 楽譜に書かれている内容(例、楽語・強弱・フレーズ・拍子・和声・音価など)について、自分の意向を確認する。

 7. 部屋やホールで響いているピアノの音がどう響いているか、鍵盤の前と、離れたところでどう響きに変化があるか?

「予測」

 1. 楽譜の内容理解について現段階でよく理解できていると思う。

 2. 準備されている椅子は、過去に座ったことがあったり、同じメーカーの椅子に座ったことがあるので演奏に支障なくゆったりと座ることができるだろう。

 3. 過去に弾いたことがあるピアノであったり、同じサイズの似た年代のピアノや同じメーカーのピアノを弾いたこともあるので、ある程度タッチ・弾き心地・響きの質に対して自分のイメージを持つ事ができている。

 4. 気温・湿度は適温で心地が良い。今から弾くピアノも音がこもることなく美しく音が鳴ってくれるだろう。

 5. 体は気温に対して特に冷えていることもない、あるいは体が温まっているので、少しピアノは冷えているかもしれないが、弾き始めて過度にピアノに暖かさを奪われて指が冷たくなることもないだろう。

 6. 楽譜に書かれている内容(例、楽語・強弱・フレーズ・拍子・和声・音価など)について、自分の思い通りに表現できそうだ。

 7. 部屋やホールで響いているピアノの音は、今までの経験上、心地よさそうだ。鍵盤の前と、離れたところでの響きの変化は小さいか、あまり変わらないだろう。

「容認」

 1. 楽譜の内容理解について自分が今までやってきたことを思い出すことが可能だ。

 2. 椅子の座り心地は特に不具合ない。

 3. ピアノのタッチ、弾き心地、響きの質はまあこんなものだろう、及第点以上だ。

 4. 気温・湿度は許容範囲で問題はない。自分や楽器も問題なく演奏できる。

 5. 体のコンディションは特に問題ない。

 6. 楽譜に書かれている内容(例、楽語・強弱・フレーズ・拍子・和声・音価など)について、理解できている。

 7. 部屋やホールで響いているピアノの音にこれといった問題はない、鍵盤の前と、離れたところでも響きの変化は少ない。

「信頼」

 1. 楽譜の内容理解について、自分が今までやってきたことを信用している。

 2. 準備されている椅子は、過去によく座ってきたし、同じメーカーの椅子にもよく座ってきた。実際に座ってみてぐらつきもなく落ち着いて座ることができる。

 3. 過去に弾いたことがある確かな性能のピアノで信頼している。同じサイズの似た年代のピアノや同じメーカーのピアノを何度も弾いたこともあるのでタッチ・弾き心地・響きの質に対して確信を持っている。

 4. 気温・湿度は適温で、ピアノも美しい音で響いている。

 5. 体は温まっていており、少しピアノは冷えているが、まったく演奏に支障はない。

 6. 楽譜に書かれている内容(例、楽語・強弱・フレーズ・拍子・和声・音価など)について、これまで何度も演奏してきたので、自分の思い通りに表現できると思う。

「安らぎ」

 1. 楽譜の内容理解について、自信を持っているので安心している。

 2. 準備されている椅子は、過去に座ったことがあるし、同じメーカーの椅子にも座ったことがある。実際に座ってみたら特に支障なくゆったりと座ることできる。

 3. 過去に弾いたことがあるピアノである。同じサイズの似た年代のピアノや同じメーカーのピアノを弾いたこともあるのでタッチ・弾き心地・響きの質に対してどう対応すればいいかはわかっている。

 4. 気温は適温で心地が良いため、ピアノも音がこもることなく美しく音で響いてくれる。

 5. 体は気温に対して冷えることもなく、あるいは体が温まっていているので、少しピアノは冷えているが、弾きやすくて心地が良い。

 6. 楽譜に書かれている内容(例、楽語・強弱・フレーズ・拍子・和声・音価など)について、自分の思い通りに表現できている。

 7. 部屋やホールで響いているピアノの音は、心地が良い。鍵盤の前と、離れたところでの響きの変化は小しあるが、楽に把握できている。

「喜び」

 1. 楽譜の内容理解について、自信満々でいつでもどこでも弾ける自信がある。

 2. 準備されている椅子は、過去に座ったことがあるし、同じメーカーの椅子にも座ったことがある。実際に座ってみたら座り心地もとてもよくていい気分だ。

 3. 過去に弾いたことがあるお気に入りのピアノだ。同じサイズの似た年代のピアノや同じメーカーのピアノを弾いたこともあるし、タッチ・弾き心地・響きの質に対して瞬時に自分の思いを反映することができて嬉しい。

 4. 気温は適温で気持ちも明るく心地が良いため、ピアノもとても美しい音で響いてくれる。

 5. 体はポカポカと十分に温まっているので、少しピアノは冷えているが、とても弾きやすくて楽しい。

 6. 楽譜に書かれている内容(例、楽語・強弱・フレーズ・拍子・和声・音価など)について、自分の思い通りに表現できているので揺らぎない自信がある。

 7. 部屋やホールで響いているピアノの音は、自分の好みで最高に美しい。鍵盤の前と、離れたところでの響きの変化は少しあるが、とてもバランスよく響いており、ワクワクする。

これはあくまでも一例です。演奏に関しては、他にもたくさんの要素がありますので、みなさんも自分がに気になることがあったら、「関心」「予測」「容認」「信頼」「安らぎ」「喜び」のそれぞれについて文章にしてみましょう。

文章にすることによって、その考えが自分の頭の中に定着しやすくなります。

演奏前や演奏中におきると想定できることについて、自分なりの分析を項目ごとにあらかじめ準備しておきましょう。

それを、毎日の練習や、本番前に目を通す習慣をつけると、より、演奏を楽しみつづけることができるようになります。

 「視点」は、わたしたちにいつも新鮮でいきいきとした現実を見せてくれます。

ピアノ演奏に限らず、毎日の生活の中でも「視点」を1つに固定せず、1つの事柄をいくつかの視点で見るように心がけると、つねにものごとの良い点について考えることができるようになります。

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